7割以上の日本人の身体に「牛乳」は合わない【乳糖不耐症】

7割以上の日本人の身体に「牛乳」は合わない【乳糖不耐症】

牛乳を飲んだあと、お腹が張ったりゴロゴロしたり、腹痛や下痢になったりしていませんか?これってアレルギーかな?と気になっていたその症状、もしかしたら「乳糖不耐症」かもしれません。

日本人の70%〜100%は乳糖不耐症と言われ、牛乳は日本人にとってもっとも身体に合わない食材なのです。

乳幼児のときは母乳に含まれる乳糖を消化できますが、ほとんどの人は乳離れとともに乳糖を分解することができなくなり、その結果上記のような症状がでてきます。日本人の身体はいつまでも乳を飲み続けられるつくりになっていないのです。

牛乳は身長を伸ばしたり骨を強くしてくれたり、カルシウム摂取によるイライラを解消したり、さまざまな”体に良い”話をよく聞きますね。

でもそれって本当でしょうか?詳しくみていきましょう。

乳糖不耐症とは?

乳糖不耐症とは、乳糖(ラクトース)の消化酵素のラクターゼが消化できないことで、消化器に生じる諸症状。多くの場合、消化不良や下痢などの症状を呈する。ヒトを含むほとんどの哺乳動物は、離乳するとラクターゼの活性が低下する。

成体になっても活性が続いている場合には、ラクターゼ活性持続症などと呼ばれる。また牛乳アレルギーやガラクトース血症は、乳糖不耐症とは異なる。

出典:Wikipedia|乳糖不耐症

日本人の7割以上の人が乳糖不耐症である

人間の人口の約65%は、乳児期以降に乳糖を消化する能力が低下します。これは成人期になるとより顕著で、東アジア系の人々に最も多く見られ、70〜100%の人々が乳糖を消化できません。乳糖不耐症は、西アフリカ、アラブ、ユダヤ人、ギリシャ、イタリア系の人々にもよく見られます。

ただし、乳製品摂取の長い歴史を持つ人々では割合は低く、北欧系の人々の約5%だけが乳糖不耐症です。

出典:米国国立衛生研究所 Lactose intolerance

日本人の大半は乳糖の消化酵素を持っていなく、つまり未消化のまま体内に入ってしまっています。そのため、牛乳からカルシウムを摂取することができません。乳糖不耐症は哺乳類の大人では普通であり、むしろ大人になっても乳糖を消化できる人のほうが特殊なのです。

今はアレルギーとして反応が出ていないかもしれませんが、身体にはダメージを与え続けているのです。その積み重ねでいろいろな症状(身体からの悲鳴)が現れてきます。

赤ちゃんは乳糖不耐症にはならない

先天性の乳糖不耐症はまれであり、本邦でも海外でも正確な疫学は不詳であるが、最も高頻度とされるフィンランドでも60,000出生に1人とされている。

出典:小児慢性特定疾病情報センター|乳糖不耐症

先天性の場合を除き、ほとんどの赤ちゃんは乳糖不耐症ではありません。母乳にも乳糖は含まれますが、母乳に含まれる乳糖を消化するための特別な酵素「ラクターゼ」は妊娠7ヶ月以降の胎児の腸で活性化され、出生直後に最も盛んになります。

しかしほとんどの人は、乳離れとともに(1歳以降)ラクターゼの分泌は激減し、14〜15歳で乳児期の10分の1に低下。成長に伴いラクターゼの分泌が止まります。そのため成人が牛乳を飲むと乳糖を分解することができなくなり、腸内で乳糖による浸透圧の亢進により下痢が起こったり、腸内細菌が乳糖を分解してガスを発生させます。日本人の身体はいつまでも乳を飲み続けられるつくりになっていないのです。

これは乳が大人のためのものではなく、乳児のための食品であるという完璧な証拠です。おそらくいつまでも乳離れできない哺乳類は人間だけ。牛乳の健康への悪影響が指摘され続けているのは、乳を(しかも牛の)大人になってもいつまでも飲み続けるというところから始まっているのかもしれません。

乳糖不耐症の人が牛乳を飲むと起こる症状は?

乳糖不耐症の人が牛乳を飲むと未消化が原因で、以下のような症状を引き起こします。

小児によく起こる症状

  • 下痢
  • ガスが溜まる
  • 腸がゴロゴロ鳴る
  • 酸性便(酸っぱい臭いの便)
  • 体重増加不良

成人によく起こる症状

  • 下痢
  • ガスが溜まる
  • 腸がゴロゴロ鳴る
  • 腹痛
  • 吐き気
  • 牛乳を飲んだ30分〜2時間後に急激に排便

子どもの頃、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロ鳴るという経験をされませんでしたか?あの症状は実は身体が拒否反応を起こしているということです。

牛乳は健康に良いどころか、あらゆる病気を引き起こす

少しずつ詳しく記事にしていこうと思っていますが、牛乳を飲むことで健康になるどころか、あらゆる病気を引き起こすことがわかっています。

  1. 牛乳は乳がん、前立腺がん、結腸がんになりやすい
  2. 牛乳はがん以外にも、糖尿病や虚血性心疾患、パーキンソン病などあらゆる病気を引き起こす
  3. 牛乳は骨を弱くし、骨折のリスク・骨粗鬆症を増加させる(カルシウムパラドックス)
  4. 大量生産されている牛乳の原料の問題(ホルモン剤・抗生物質・遺伝子組み換えなど)
  5. ホルモンの摂取により、初潮が年々早くなっている(心疾患、脳卒中のリスクが増加)

乳糖不耐症の人はがんのリスクが低い

スウェーデンの乳糖不耐症患者22,788人とその家族を対象とした調査の結果、乳糖不耐症者では、乳糖不耐症でない人よりも肺がん、乳がん、卵巣がんの発生率が低いことがわかりました。(発症率はそれぞれ、0.55、0.79、0.61)また、乳糖不耐症者の兄弟姉妹および両親のがん発生率は、一般集団と同じでした。

したがって、乳糖不耐症者のがんのリスクが低いことは、牛乳や乳製品の摂取が制限されることによる特異的な食習慣と関係があることが示唆された。

出典:British Journal of Cancer. Published online first. Oct 14, 2014; doi: 10.1038/bjc.2014.544

牛乳を飲まなくても何の影響もない

「カルシウム摂取量が気になる」方もいらっしゃるでしょう。乳製品メーカーや牛乳普及協会などは、牛乳のカルシウムの吸収率の高さをアピールしていますが、牛乳から得られる栄養素は全て他の食品でまかなうことができます。

2020年に発表された論文には、

アメリカの食事ガイドラインで示されている乳製品の推奨量、

  • 2〜3歳の子どもは1日2カップ相当
  • 4〜8歳の子どもは1日2カップ相当
  • 9歳〜18歳の青年および成人の場合1日3杯相当

に疑問を呈し、「牛乳から得られる栄養素はすべて他の食品(ケール、ブロッコリー、豆腐、ナッツ、豆)やサプリメントから摂取できる」とし、0〜2杯のようなガイドラインにすべきだと言っています。

つまり、飲まなくてもいいということです。

出典:Milk and Health List of authors. Walter C. Willett, M.D., Dr.P.H., and David S. Ludwig, M.D., Ph.D. February 13, 2020 N Engl J Med 2020; 382:644-654

黒ごまは100g中1,200mgものカルシウムが含まれていて、これは牛乳の約12倍にもなります。また、ごまには主成分の脂質やタンパク質の他に、セサミン、マグネシウムなど各種ミネラルも豊富なので、おすすめです。

牛乳による健康効果についての利益相反

乳製品の消費と病気の関係には、信じられないほど複雑な研究​​ネットワークが関係しており、乳製品の全体的な影響について「牛乳が身体に悪い」、「牛乳は身体にいい」それぞれ論文も山のように存在しますから、消費者が混乱するのも無理はありません。

今世の中的には「牛乳は身体にいい」という方が優勢でしょう。それには乳業界のマーケティング戦略が深く関わっています。

牛乳だけでなく何事にも言えることではありますが、科学的に見える研究が必ずしも真実とは限りません。資金提供するスポンサーがいて、そのスポンサーである業界の利益を支持するような、自分たちに有利な研究を引き出すことなんて簡単なのです。

参考:Should nutrition scientists take food-industry funding?

さいごに

我々人間の娯楽のために頑張っている牛がいます。

出産して初めて母乳が出るようになりますが、雌牛も同じ。出産6日後から約10ヶ月搾乳します。ミルクを出させるために産まれてきた雌牛は、出産から2〜3ヶ月後には搾乳中でも再び妊娠させられます。(妊娠した牛から搾乳した乳中には女性ホルモンの残留が多く、当然ミルクに残留しがん細胞も肥大します。)

つまり、年に1回のペースで妊娠・出産を繰り返しています。出産された方でしたらわかると思いますが、妊娠も出産も、非常に体力が必要で、体への負担は大きいですよね。

当然雌牛の命を縮める行為ですし、本来子牛に飲ませるはずのミルクは人間が飲むのにまかなわれるため、子牛は生まれてすぐ母牛から引き離され、牛肉としてわたしたちの食料となっている現実を知ってください。

給食の時に牛乳を出さないという学校も少しずつでてきましたね。うちの小学生の子どもは乳製品アレルギーではありませんが、「乳糖不耐症」を理由に牛乳を拒否しています。診断書を提出する必要もありませんでした。ただし、学校給食は牛乳ありきで栄養計算されているので、当然昼食の栄養は足りていません。

それでも日本人の身体に合わない牛乳を、わざわざリスクをおってまで摂取する必要はあるのでしょうか。栄養は朝食・夕食でまかなえますし、1週間単位で考えればいいと思っています。

本来牛乳は誰のものなのか、考えてみてほしいです。

2 件のコメント

  • 我が子も保育園に通っていますが、アレルギー以外は給食の牛乳拒否は認められないと言われ検査や診断書のために病院へ行きました。乳糖不耐症なので、牛乳は飲ませたくないことを医師に伝えその旨を診断書でもらいました。わざわざこんな事しなくても、、と思いつつ不要なリスクは取らせたくない為これからも牛乳は飲ませるつもりがないのでこういう情報がもっと知るべき人に知られて欲しいと思います。。
    ワクチンも然り、打たせないのは虐待ではとネットでも言われていますが、打つにしても打たないにしても他人の言葉を鵜呑みにするのは怖いと思うので自分でしっかり調べたり考えたらいいのに、と思います…。

    • お返事お待たせしてしまい、申し訳ございません(´;ω;`)コメントとても嬉しいです!ありがとうございます♡
      大変な思いをされたのですね…おそらく保育園でも牛乳ありきのカロリー計算になっていることから、そのような対応を取られているのではないかと推測します。あとみんなと違うことをさせたくないなど。
      もう少しお子さんが大きくなったら、「なんで牛乳飲まないの?」「まだ牛乳飲めるようにならないんだね。」とお友達や(事情を知らない)先生に言われるかもしれません。(うちの子がそうでした)小さなうちでもわかることはあると思うので、少しずつ説明されるといいかもしれませんね^^
      良い面も悪い面も色々なことを知って、それでも牛乳を飲む・ワクチンを打つという選択をされた方に対してなにも言うことはないのですが、おっしゃるとおり考えず、調べもせずみんながやっているからという理由だけで摂取されるのは、どうなのかなと思っています。『知っていただく』きっかけのひとつになれば、とこれからも発信していきたいと思います*

  • 2歳児の母 へ返信する コメントをキャンセル

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