豆腐の添加物と「安全な豆腐」の選び方

豆腐の添加物と安全な豆腐の選び方

美容と健康に良いと言われている豆腐ですが、その食べている豆腐は安全なものですか?

本来豆腐とは、大豆とにがり、水だけでできるシンプルな食品です。スーパーに行けば安い豆腐はたくさん出回っていますが、いわゆる中身がすっかすかの豆腐もありますし、オーガニックと謳っているものの原材料を見れば添加物まみれの豆腐もあります。

夏はさっぱりと、冬は鍋など万能に使える豆腐。スーパーなどで選ぶ基準になれば幸いです。

豆腐の原材料はなにが使われている?

某スーパーで購入できるオーガニックと謳われる豆腐(150g3丁98円)

  • 有機大豆(中国)
  • パーム油
  • 凝固剤(粗製海水塩化マグネシウム にがり)
  • 塩化マグネシウム(にがり)
  • 消泡剤(レシチン:大豆由来、炭酸マグネシウム)

有機大豆を使用しているので、遺伝子組み換え作物でないのはいいのですが、大豆以外は添加物を使用されています。(消泡剤にレシチンが含まれており、これに使用される大豆が遺伝子組み換え大豆から作られている可能性はあります。)

オーガニックを謳った悪質な商品であり、本当に有機大豆を使用しているのかさえ怪しい商品です。

遺伝子組み換え作物とは?

遺伝子組み換え作物(略してGMOとも呼ばれます)とは、バクテリア、植物、動物など他の生物の細胞から取り出した遺伝子を、米、大豆、ナタネなどの遺伝子に組み込み、新たなの性質を持つように作り出された作物のことです。

抽出した遺伝子が持つ、害虫に強い性質や栄養素を上げる効果、除草剤に強い性質などを作物の新たな特性として、人工的に加えます。

遺伝子組み換え食品は発がん性があるなど健康に害をもたらす遺伝子組み換え食品は海外で多数問題になっていますが、日本では話題にもなりません。

某スーパーで購入できる絹ごし豆腐(350g1丁48円)

  • 丸大豆(国産)(遺伝子組み換えでない)
  • 凝固剤(塩化マグネシウム含有物)
  • 硫酸カルシウム・グルコデルタラクトン、消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル・炭酸カルシウム)、レシチン(大豆由来)

こちらも大豆以外は全て、食品添加物です。さすが添加物大国日本…豆腐ひとつに含まれる食品添加物の種類の多さにびっくりしますね。

※金額はわたしの地元で購入できる金額であり、全てのスーパーでこの価格で購入できるわけではありません。参考程度にお願いいたします。

豆腐に含まれる食品添加物について

パーム油

スナック菓子やカップラーメン、チョコレート、洗剤や化粧品など、これらの原料に共通して入っているものが「パーム油」で、一般的に「植物油脂」と表示されることが多いです。

パーム油はヘキサンという有害な化学物質に溶かして高温処理し、色と臭みをとる溶剤抽出法で精製され、石油化学物質が含まれます。

近年はたんぱく質や糖質の多い大豆が多くなってきていますが、そうなると大豆の油脂分が足りなくなり、豆腐にするときにコクが出にくいため、それを補完するために少量の油を入れることがあります。

また、消泡剤がない時代の豆腐作りでは、大豆を煮るときに出る泡を消すために少量の油を使用していたという歴史もあります。

凝固剤

豆腐は豆乳から作られますが、豆乳を固めるために「凝固剤」という食品添加物が使用されます。豆腐をつくるにあたって必要不可欠な食品添加物です。

豆腐の凝固剤で一番に思い浮かぶのは「にがり」ではないでしょうか。凝固剤には天然にがり、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、硫酸マグネシウムの6種類あり、天然にがり以外は全て人工的に作られたものです。

天然にがり(粗製海水塩化マグネシウム・塩化マグネシウム含有物)

天然にがり(本にがり)とは海水を煮詰めて塩を作る時にできる、液体のことです。”粗製海水塩化マグネシウム”や”塩化マグネシウム含有物”と記載されることもあります。

天然にがりは他の凝固剤と比べて、豆腐ができる量が少なく、凝固時間が早かったり保水能力がないので技術的にも難しいですが、ミネラルを豊富に含み、味もまろやかで大豆の味を引き立たせ、最もおいしい豆腐を作ることができるのが特徴です。

塩化マグネシウム(にがり)

塩化マグネシウム(にがり)とは、塩化マグネシウム含有物を精製して塩化マグネシウムの純度を上げたもので、にがりは本来海水からとったものをさしますが、最近は塩化マグネシウムもにがりと呼んでいます。

凝固時間が早いため、綺麗に固めるのが難しいですが、大豆の味をストレートに感じることができます。

塩化カルシウム

塩化カルシウムは自然界にも存在する物質なので比較的安全で健康への影響はないとされていますが、濃度により取り扱いの注意がなされています。

食品添加物以外では、融雪剤・除湿剤・乾燥剤にも使用されています。

硫酸カルシウム(澄まし粉)

硫酸カルシウムは「石灰」や「石膏」と同じもので、最近は化学合成して作られ批判の対象になりがちですが、こんにゃくの凝固や砂糖を精製する時の不純物除去など食品製造に幅広く使われています。

水に溶けにくく凝固する力も比較的弱いため、豆腐を作りやすいのが特徴です。ゆっくりと固まるため保水力の高い舌触りの良い滑らかな豆腐が出来上がります。

グルコノデルタラクトン

グルコノデルタラクトンとは別名はちみつ酸と呼ばれるもので、はちみつに多く含まれている物質で、でんぷんを発酵させて作られた天然の添加物です。水に溶けやすく保水性に富んだ豆腐が出来上がり、絹ごし豆腐にむいています。

危険性はありませんが、凝固能力が高いため「にがり」だけで作る豆腐の2~3倍くらいに薄めた豆乳でも固まってくれるのです。つまり同じ量の大豆で今までの3倍もの豆腐を作ることができるのです。簡単に大量生産したいメーカーにとっては嬉しい食品添加物ですが、栄養も3分の1となり、当然味も落ちます。

硫酸マグネシウム

日本で豆腐に使用されることは少ないですが、温泉や入浴剤に含有されることが多いです。

海外ではドラッグストアで安く買える(Epsom Salt)ため、手作り豆腐に重宝されています。マグネシウムベースの凝固剤は他の凝固剤よりも扱いやすく、きれいにできて使用が簡単です。

消泡剤

豆腐を作る過程の中で、大豆を煮るときに大豆の成分のサポニンが泡を出します。この泡を消すための添加物として、消泡剤が使われます。

消泡剤を入れると煮えムラがなくなるため、大豆はよく煮え、豆乳もよく搾れます。最近の消泡剤はph調整もされているので、豆腐屋にとってはこんな便利なものはないでしょう。多くの豆腐メーカーで使用されています。

パッケージの表示では”グリセリン脂肪酸エステル”と書かれているものもあります。グリセリン脂肪酸エステルは摂りすぎると肝臓肥大、その他の消泡剤、シリコン樹脂は、肺機能障害などの危険性があげられています。

豆腐に使う量はごく微量で豆腐の最終製品にほとんど残留しないため、食品衛生法では「加工助剤」として扱われ、原材料の表示義務はありません。

レシチン(大豆由来)

こちらは大豆にもともと含まれている成分です。

添加物としては安全性に問題なく毒性は低いと言われていますが、動物に注射すると呼吸が止まり、血圧が下がったという報告もあります。また、大豆を使用したレシチンは大豆アレルギーを引き起こすことがあります。

さらにレシチンの原料の大豆の多くは、遺伝子組み換えのものを使われていることも懸念すべき点です。乳化剤としてレシチンが使われている場合、食品表示には”乳化剤(大豆由来)”と書かれている場合があります。

安全な豆腐の選び方

凝固剤は「天然にがり」を使用した豆腐を選ぶ

凝固剤は豆腐を作る中で必要不可欠な食品添加物です。化学的に作られた凝固剤は薄い豆乳でも固まるので使われることが多いですが、薄い豆乳で作れる=大豆が少ない、栄養価は低いことがあります。

粗製海水塩化マグネシウム・塩化マグネシウム含有物を使っている天然にがり(本にがり)のものが安全です。

国産大豆100%を選ぶ

豆腐の原材料を見ると”国産大豆使用”と書かれているものと”国産大豆100%使用”と書かれているものがあります。

”国産大豆使用”だけでは、国産大豆以外に、外国産も交じっているということがあるため、国産大豆100%使用の方を選びましょう

外国産大豆は外国から日本へくる間に、防カビ剤や防腐剤をかけられていることがあるからです。ただし、有機栽培で作られた大豆の場合は、中国産の方が安心なものもあります。

ただ、大豆の95%を輸入に頼る日本。日本で生産されている大豆はごくわずかで、実際には国産大豆の生産量とパッケージに記載された販売総数との間に差があるため、パッケージの”国産”は必ずしも本当かどうか、信憑性はありません。

また、国産大豆は遺伝子組み換えではありませんが、”遺伝子組み換え”と書かれた商品は、豆腐に限らずほとんど出回りません。消費者は購入しないとメーカーが分かっているからです。

”遺伝子組み換えでない”と表示されているものも、実際には日本では5%までの混入が認められ、”遺伝子組み換えでない”と表示してOKなのです。アメリカでは表示しなくていい原材料が0.9%未満と規制が強いため、遺伝子組換えされた大豆やとうもろこしは現地ではあまり出回らず、規制の緩い日本に流れ込んできています。

こうなると見分けようもないのですが、「遺伝子組み換えでない」ほうを選びましょう。

消泡剤を使用していないものを選ぶ

豆腐が気泡だらけということは、豆腐がたくさん空気に触れていることになるので、日持ちが悪く、腐りやすくなってしまいます。また、見た目にも悪いため消費者は購入しません。

泡をなくす作業は必須ではありますが、余計な添加物を使用しない方法もあります。消泡剤を使用しない豆腐作りでは、この泡をすくい取ったり、何度も布でこしたりして泡をなくし、手間暇かけた豆腐が作られてきました。

表示義務はありませんが、「消泡剤無添加」と記載のあるものを選びましょう。

さいごに

食品表示が偽装されることはよくあることで、一般的に問題にされることはほとんどありません。添加物大国の日本。世界一の遺伝子組み換え食品消費国日本。

この表示義務の甘さ、規制の緩さが海外に良いように使われ、メディアでもほぼ報道されることがないことに、もっとみんなが気付かねばなりません。

安心安全なものを食べたい、余計なものを使用せず、素材そのものの味を子どもに食べさせたい。ただそれだけのこと。

もちろん周りを見渡せば添加物だらけなので、添加物を全く取らないなんて生活は、日本ではまず無理でしょう。でも知って食べるのと、知らないで食べることは全然違うと思います。

健康は1日にしてならずというように、病気も1日にしてなりません。日々の積み重ねが大切だと思います。無理せずできる限り、取り入れていけたら良いなと思い、記事にさせていただきました。

安かろう悪かろう、豆腐に関しては言えることだと思います。スーパーでは150円〜200円程度でも購入できるので、探してみてくださいね。

 

2 件のコメント

  • よくわかる説明ありがとうございます。
    日本の規制のゆるさはどうにかしてほしいものですね。

    • ありがとうございます(o^^o)もっともっと規制が厳しくなるといいですよね。このあたりこそ、アメリカの真似をしてほしいものです。。

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